
事故から、35日目。 おれは再び、雪山の頂上に立っていました。
手足の感覚が完全に消え失せ、医師から「神経は元通りには戻らない」と宣告されたあの日から、約1ヶ月。周囲の猛反対をすべて振り切り、友人にお迎えをお願いをして事故を起こした「あのスキー場」に足を運んだのです。
今回は、なぜおれがそこまでして雪山に戻ることにこだわったのか。そして、潜在意識が完全に現実を書き換えた「圧倒的な日常の証明」についてお話ししていきます。
トラウマや恐怖よりも「日常」の確信が勝る
「自分が事故を起こして四肢麻痺になった場所に戻るなんて正気じゃない。トラウマはないのか?」
多くの人はそう思うかもしれません。 しかし、おれの中に恐怖やトラウマは1ミリもありませんでした。なぜなら、おれの脳(潜在意識)の中では「すでに完全に治っていて、また友達と楽しく遊んでいる未来」がずっと前から完成していたからです。
これらすべての行動は、「再び雪山でスノーボードをする」という明確なゴール(予定)に向かうための、単なるプロセスに過ぎませんでした。だからこそ、雪山に戻ることは、おれにとって恐怖の克服ではなく「ただの日常の再開」だったのです。
「おかえりなさい」という言葉と、日常が繋がった瞬間
スキー場に到着したおれを待っていたのは、信じられないほど温かい景色でした。
レストランのお姉さん、リフト乗り場のおじさん。あの日、おれがドクターヘリで運ばれていく姿を見ていたスキー場の人たちが、次々と声をかけてくれたのです。
頭が真っ白になった瞬間から35日。 自分の足で歩き、馴染みのスタッフと笑顔で言葉を交わす。失われたはずのすべてが、1本の線として繋がった瞬間です。
「おかえりなさい」という言葉を聞いたときの胸の熱さと、日常が完全に戻ってきたことを確信した喜び。それは、孤独なリハビリに耐え抜いた自分自身の潜在意識が、医学の常識に完全に打ち勝った「証明」でもありました。
常識を破壊する「圧倒的なリアル」
完全ではない握力でブーツを履き、再び雪の上を滑り出したとき。 冷たい風の感触も、板から伝わる雪面の振動も、すべてがおれのコントロール下にありました。
後に、この時の様子をYouTubeで公開した際、視聴者からこんなコメントが寄せられました。
世の中には、不可能な理由(治らない常識)を並べる人はたくさんいます。 しかし、おれは言葉ではなく「35日目でスノボを滑る」という圧倒的な実体験(リアル)をもって、その常識を完全に破壊しました。
自分が思い描いた未来は、他の誰でもない、自分自身で創り出せる。 それを証明できたこの日は、おれの人生において決して忘れることのない決定的な1日となりました。
次回は、このシリーズの最終回。なぜおれが、この個人的な記録をわざわざ発信しようと思ったのか。絶望の中にいる誰かが希望を見出すために、実体験という最強の事実を使って語る、潜在意識の力。



