
おれが当時の記録をYouTubeで発信し、こうして今も過去の思考を紐解いている最大の理由。 それは「わずか35日で四肢麻痺からスノボに復帰した」という、過去の武勇伝をひけらかすためではありません。
絶望の中にいる誰かが希望を見出すために、実体験という最強の事実を使って「人間の潜在意識の力」を語りたかったからです。 シリーズ最終回となる今回は、限界を突破するためのマインドセットと、当時の尖りきっていたおれがどうしても言えなかった「圧倒的な感謝と謝罪」についてお話しします。
常識のノイズを消し、自分の可能性だけを信じ抜く
医師からの「治らない」という宣告。 普通なら、そこで絶望し、運命を受け入れてしまうかもしれません。当時のYouTubeのコメント欄にも「医学的に回復は困難だ」という常識を押し付けてくるノイズがたくさんありました。
しかし、おれの動画を見て、本質を受け取ってくれた視聴者からはこんな声も届いています。
まさにその通りです。 「治らない」「一生歩けない」と他人が決めた限界を、自分の限界にする必要はどこにもありません。
現実は、あなたの思考(潜在意識)が創り出します。 どれだけ身体が動かなくても、髪の毛1本触れるだけで激痛が走っても、自分の脳が「治る」と決めたなら、必ずそこに道は開ける。おれはその事実を、自分自身の身体を実験台にして証明しました。
どうか、最後まで自分の可能性を諦めないでください。
潜在意識が現実化した「答え合わせ」の瞬間
あの雪山で首から下が動かなくなった時、パニックになりそうな脳へ強制的に設定した明確なゴールがありました。 それは「完全に回復して、また友達と楽しく遊んでいる未来」です。
事故からわずか約1ヶ月半後、桜が咲く季節。 おれは自分の足で歩き、自分で主催した花見イベントで、仲間たちとビールを飲んで笑っていました。

医療の常識からすれば、絶対にあり得ない光景。 しかし、激痛の中で己の「潜在意識」だけを信じ抜き、現実を力技で書き換えた結果がこれです。これが、おれの潜在意識ハックの最強の「答え合わせ」でした。
恥ずかしくて見られない過去と、心からの謝罪
当時のブログ記録を振り返ると、おれは非常に傲慢で、怒りに満ちていました。 「ジジイは早く死んでくれ」と毒づき、病院のシステムを批判し、すべてを「自分1人の力」で成し遂げたかのように尖りきっていました。
正直に言うと、当時作った動画は正直恥ずかしくてまともに見ることができませんが、絶望の中で自我を保ち、潜在意識をハックするためには、あの「怒り」や「下品な欲望」を燃料にするしかなかったのは事実です。
しかし、当時の生意気な態度や暴言については、今この場を借りて心から謝罪させてください。
命を繋いだ友人と医療スタッフ、そして尽くしてくれた彼女へ
まずは、あの日、誰よりも早くおれの異変に気づき、コース外まで追いかけてレスキューを呼んでくれた友人へ。彼の直感と行動がなければ、そもそもおれはヘリで運ばれる前にあの雪山で最悪の事態を迎えていたかもしれません。一番最初の命のバトンを繋いでくれたこと、心から感謝しています。
文句ばかり言っていた病院のシステムと、無機質だと言い放った医療スタッフの方々。 よく考えれば、雪山からドクターヘリでおれを運び出し、ICUで適切な処置をしてくれた彼らがいなければ、そもそもおれの命はあそこで終わっていたかもしれません。命を繋いでくれたことに、深く感謝しています。
そして、入院中も退院後も、毎日おれの元へ通い、献身的に世話をしてくれた彼女へ。 激痛に唸り、余裕のなかったおれは「弱い自分を見せたくない」というちっぽけな意地から、何度もきつく当たり、冷たく追い払ってしまいました。
それでも彼女は、不自由なおれにヘッドフォンを当て、日常を繋ぎ止めるための「音楽」を聴かせ続けてくれました。 1人で戦い抜いた気でいたけれど、あの時、彼女が見返りを求めずに注いでくれた無償の優しさがなければ、おれは痛みと恐怖に負けて、本当にバルコニーから飛び降りていたかもしれません。
当時の彼女に、そして友人や医療関係者の皆様に、心からのありがとうを伝えます。
……と、最後は綺麗にまとめてみましたが、結局のところ、四肢麻痺の絶望をぶち破る1番の原動力になったのは「セックスができなくなるのは絶対に困る」という、あの下品な執念だったのかもしれません。人間のエネルギーってすごいですね。



